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Story ID BIQyzUuq0 氏(142nd take) AM 9 00 朝食(玉子焼き)を食べながら電話する AM 9 03 朝食(苺大福)を食べながら電話に出る。 「作りかけの曲が出来たし、ついでに遊びに来るかしらぁ」 「うん~、遊びにいくのぉ~~!!」 AM 10 00 レゴブロックもって金糸雀のマンションに向かう。 AM 10 30 なぜ18歳にもなってレゴなのか疑問に思いながら部屋に入れる。 AM 11 00 金糸雀は出来た曲を雛苺に聴かせる。 AM 11 02 雛苺はレゴでお城を作りながら曲を聴く。 AM 11 15 金糸雀は曲の感想を聞くが、雛苺はお城作りに夢中。 PM 13 00 無視されてヘコむ金糸雀(お城は6割完成) PM 14 00 いつのまにかお城作りに参加する金糸雀(お城は8割完成) PM 16 30 お城が完成し大喜びする2人。 PM 17 00 なぜか金糸雀はお城に関するオカルト話をしだす。 PM 18 30 怖い話を聞いて半泣きになる雛苺。 PM 19 00 話しながら自分も怖くなりだす金糸雀。 PM 20 00 2人して泣き出した。泣いたらお腹がすいたのでピザを取る。 PM 20 30 雛苺は薔薇水晶も呼ぼうと電話するが出ない。 ~~PM 20 30 (この電話で薔薇水晶は気絶した)~~ PM 21 00 ピザは届くも、雛苺は飲み物で苺ジュースがないと駄々をこねる。 PM 21 10 ジャンケンで買出しを決める(金糸雀が買いに行く) PM 21 40 買出しから戻ってくるとさっきの曲がアレンジされていた。 PM 22 30 アレンジされた曲を聴きながらピザを食べ終えて満足する。 PM 23 00 夜も遅くなったので金糸雀の部屋に泊まることにする雛苺。 PM 23 30 一緒にお風呂に入り、はしゃぎだす。 PM 23 50 お湯の掛け合いから水の掛け合いにエスカレートする。 AM 00 00 風呂に入ったのにガタガタふるえながら出る2人。 AM 00 30 寒いので一緒に寝ることにした。 AM 1 00 並んで寝ているとなんだか温かくなってきた。 AM 1 30 2人は頬をくっつけてぐっすり眠りました。 ばらしーと対照的なヒナ&カナの休日でした Illust 845 氏 短編連作SS保管庫へ
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イラスト保管所なのー すべてのイラストは、クリックすると元サイズ表示となります 水銀燈 銀×翠 銀×蒼 銀×紅 金糸雀 金×雛 翠星石 (別ページ表示になります) 翠×蒼 (別ページ表示になります) 翠×雛 蒼星石 蒼×翠 (別ページ表示になります) 真紅 紅×銀 紅×翠 紅×雛 雛苺 雛×金 雪華綺晶 薔薇水晶 薔薇×雪華 全キャラ 人工精霊シリーズ イラスト (ero) ※エッチなイラストなので、閲覧は自己責任で
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水銀燈 雨降りの午後に 金糸雀 翠星石 蒼星石 真紅 サンタさん 雛苺 雪華綺晶 過去との比較 ご趣味は何ですか? 薔薇水晶 その他の収入 究極を求めて・・・ ローゼン 父と子 ラプラス 粛清でもしてみよー! その困難を越えて・・・ 退化 複数 一部成功 水銀燈の日記 二人のお盆 保守レンジャー 愚痴。 あの頃に帰りたい もしも… その他 神のお告げ くんくん~先生のワケ~ 青春謳歌
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あくまでも目安であり、この設定に制限するものではありません。誰がどのパートをとってもおk。 「性格」については原作コミックまたはアニメ準拠を基本に、多少膨らませる場合もあります。 ~実力派美少女ロックバンド「Rozen Maiden」とは~ 安易なビジュアル系、お姉系、パンク系・・・ それらのいずれとも違うスタイルを持った異色の実力派美少女ロックバンド メンバー全員、外見だけでもビジュアルバンドとして成立する容姿の持ち主であるが、 頑なに『音』で勝負するその姿勢、オリジナルかつ心を打つ楽曲の数々が 若年層のみならず中高年の間でも評判に 只今人気急上昇中!! Vo. Gt. 真紅 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)圧倒的なカリスマ、歌唱力でバンドを牽引するメインヴォーカル。ギターだけでなくサックスやピアノも演奏できる多才な能力の持ち主。ギターの水銀燈とはライバル関係。いつも何かと対立している。男女ともに熱狂的なファンが多い。熱気渦巻くライブの途中でも熱い紅茶を好んで飲む。 (その他スレ住人による設定例)○バストのボリュームが些か乏しい事を激しく気にしており、彼女の前でプロポーションの話は禁句とされている。 Vo. Cho. 雛苺 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)楽器は扱えないがその歌声、歌唱力のセンスは抜群。真紅とのツインボーカルの一翼を担う。彼女メインの曲も真紅メインとは別方面で人気が高い。男性人気が非常に高い。少々天然の気がある。 (その他スレ住人による設定例)○隠れ巨乳説あり。○苺大福(彼女は「うにゅー」と呼ぶ)をこよなく愛する。○デス声担当。○翠星石と……?○実はメンバー内で一番「黒い」説も。 Gt. 水銀燈 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)超絶テクニックで官能的な音色を響かせるフロント。時々テクニックに走りすぎる一面があり、そのことでしばしば真紅と口論になる。「お姉さま」の呼び声高くメンバーの中でも1,2の人気を争う。以前彼女のヤクルトを勝手に飲んだ雛苺が睡眠中に突然の轟音で目を覚ましたところ、水銀燈が枕元にアンプ(120w)を持ち込んでギターをハウリングさせていた・・・という事件があった。以来メンバーは事務所の冷蔵庫に聖域を定めたという。 (その他スレ住人による設定例)○メンバー随一のナイスバディの持ち主。セクシー担当。 Ba. 蒼星石 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)常に冷静なバンドのリーダー。困ったときの蒼星石。メンバー間のトラブルは大抵彼女によって事なきを得る。決して突出して目立たないが隠れファンも多い。(同性からの人気が最も高い)奏者としては、磐石のリズム感でバンドサウンドを支えるベーシスト。ユニークなソロのセンスも持ち合わせているものの自分からはあまり曲に組み入れない。自分自身に関することでの積極性の無さが欠点と言えば欠点か。 (その他スレ住人による設定例)○バストサイズは控えめ?○2ちゃんねらーで固定ハンドル名「あおのこ◆s/roZeN.m4」のVIPPER。 Ds. 翠星石 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)当初「前にいる方が目立つ」という理由でギターかベースを選ぼうとしたものの、「ドラムセットが一番高い」という蒼星石の発言等によって結局ドラマーとなった。やってみれば意外にもセンスを発揮し、パワフルなドラミングでバンドサウンドを引っ張っている。スローテンポな曲、繊細な曲はやや苦手である。双子の姉妹だからか、蒼星石とのコンビネーションは抜群。 (その他スレ住人による設定例)○ロックバンド「ローゼンメイデン」の創設者。○雛苺と……? Key. 薔薇水晶 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)結成一年後に真紅の「バンドの幅を広げたい」という発言から探し出された追加メンバー 。彼女は私立薔薇学園で真紅たちの同級であった。バンドサウンド全体の統括、調整、アレンジメントをこなすキーボーディスト。音楽に関わる際は一種のトランス的状態で望む(普段からそんな感じではあるが)。ある意味最もメンバーの中では『芸術家』タイプ。腕は申し分ないのだが、寡黙で素性が知れず、謎が多い。 (その他スレ住人による設定例)○水銀燈ラヴ。ただしその想いは一方的?○好物はシュウマイ。○隠れガノタ説あり? マネージャー 金糸雀 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)『Rozen Maiden』のマネージメントを受け持つ自称美少女マネージャー。腕は悪くないのだがいかんせんドジで抜けている部分がある。よかれと思っていろいろ考える策略が全て裏目に出る。今のところ仕事上の致命的なミスには発展していないのが不思議なくらい。とはいえ雛苺と合わせて『癒しの2トップ』としてメンバーからは (マスコット的に)愛されている。 (その他スレ住人による設定例)○幼児体型。何故か彼女に隠れ巨乳疑惑がかかったことはない。合掌。○ローゼンメイデンとは別ユニットで活動している疑惑も? 雪華綺晶 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)※未公開(登場予定はあり) (その他スレ住人による設定例)○著名な衣装デザイナー。○ローゼンメイデンとは別ユニットで活動するミュージシャン。薔薇水晶に容姿は似ているが全くの他人。○薔薇水晶の姉。ローゼンメイデンの第7メンバーであり、作詞作曲のみ担当。薔薇水晶以外のメンバーの前には姿を見せない謎の人物。○薔薇水晶の別人格。眼帯を付け替えることで人格交代する。○ローゼンメイデンとは別のバンド、パンクバンド「Pizzicato」のギタリスト。○真紅たちが通う学校の校長。通称きらきー校長(命名:ローゼン) 桜田ジュン (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)ローゼンメイデンのメンバーの、高校のクラスメート。 (その他スレ住人による設定例)○真紅の下僕……という名のボーイフレンド。○ローゼンメイデンの衣装コーディネイト担当。後にローゼンメイデンの同僚バンド「JUM PROJECT」のメインギタリスト兼ヴォーカリストとして強制デビュー。 桜田のり (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)※未公開。ジュンの姉。 (その他スレ住人による設定例)○真紅をロックの世界に引きずり込んだ張本人であり、ギターを教えた人。○ローゼンメイデンのライバルバンド「ラプラス」のドラマー。○ローゼンメイデンの同僚バンド「JUM PROJECT」のギタリスト兼コーラス。 柏葉巴 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)ローゼンメイデンのメンバーの、高校のクラスメート。 (その他スレ住人による設定例)○ローゼンメイデンのライバルバンド「ラプラス」のベーシスト。○雛苺の保護者。 柿崎めぐ (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)※未公開。 (その他スレ住人による設定例)○水銀燈の親友。○大抵は命に関わる類の持病持ち。○ローゼンメイデンのライバルバンド「ラプラス」のギタリスト。 草笛みつ(みっちゃん) (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)金糸雀の母。金糸雀を溺愛している。 (その他スレ住人による設定例)○金糸雀のつてで、ローゼンメイデンに衣装を提供してくれる人。○ローゼンメイデンとは別のバンド、パンクバンド「Pizzicato」のドラマー。○フルネームが原作と違ったりする事もあるがキニシナイ。 オディール・フォッセー (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)※未公開。 (その他スレ住人による設定例)○ローゼンメイデンのライバルバンド「ラプラス」のヴォーカリスト。 槐 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)※未公開。 (その他スレ住人による設定例)○ローゼンメイデンが所属するレーベルのお茶目な社長。○水銀燈行きつけの楽器店の楽器職人。○薔薇水晶の父親だったりすることも。 白崎 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)※未公開。 (その他スレ住人による設定例)○水銀燈行きつけの楽器店の店員。変な人。 桑田由奈 (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)※登場予定なし。 (その他スレ住人による設定例)○ローゼンメイデンとは別のバンド、パンクバンド「Pizzicato」のヴォーカリスト。通称「姫様」。 ローゼン (初代スレ立て人 1 ◆6tDSZ/8cEUの妄想?設定)※登場予定なし。 (その他スレ住人による設定例)○真紅たちが通う学校の校長。○真紅たちが通う学校に担任として紛れ込んだ男。ロックバンド「ローゼンメイデン」の生みの親となる。 (ほぼ)未登場の人々(50音順) 梅岡 コリンヌ・フォッセー 柴崎カズキ 柴崎元治 柴崎マツ 山本 結菱一葉 ラプラスの魔
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Story (1)ID 21dfhi4w0 氏(165th take) (2)ID 1ivugeWg0 氏(205th take) (3)ID zcOfT1KI0 氏(213th take) (4)ID pzNDr4g40 氏(274th take) 「Ouvertüre」 Music ID zcOfT1KI0 氏(213th take) 「Sanctuary Of Rose」 lyrics 沖 氏 Music ID zcOfT1KI0 氏(213th take) 「Moon&Sun」 lyrics 沖 氏 Music ピコピコ 氏 「HEARTFULL」 lyrics 沖 氏 Music 相模 青 氏 「Thorn s Labylinth~荊の迷宮~」 lyrics 靄 氏 Music ID cl6VWgZB0 氏(199th take) 「Rebirth!」 lyrics でりゅ 氏 「Overdrive」 lyrics 沖 氏 Music ピコピコ 氏 「Rain the Melancholy」 lyrics 沖 氏 「unholy angel」 lyrics 靄 氏 「Ewigkeit/Eitelkeit」 Music ID JHCjE/Qx0 氏(274th take) 「Never Ending」 lyrics 沖 氏 Music ID AZIQodzf0 氏(245th take) Illust (ジャケット表)沖 氏 (ジャケット裏)沖 氏 <ジャケット表> Illust 沖 氏 Ⅰ:Ouvertüre ※クリックでダウンロード Music:薔薇水晶 一曲目のインストナンバー、2曲目に繋がる感じで Ⅱ:Sanctuary Of Rose ※クリックで詞と曲のページへ Words:真紅 Music:水銀燈 序盤お決まりの疾走ナンバー。曲はAngra、Helloweenみたいなメロスピ調で Ⅲ:Moon&Sun ※クリックで詞と曲のページへ Words:翠星石 Music:蒼星石 W M双子による、ミドルテンポなR Rナンバー Ⅳ:HEARTFULL ※クリックで詞と曲のページへ W M:雛苺 題名からも想像出来るように、心温まるバラード Ⅴ:Thorn s Labylinth~荊の迷宮~ ※クリックで詞と曲のページへ W&M:水銀燈 前半閉幕のナンバー、詩はダークネスに、曲はゴスメタ調に Ⅵ:Rebirth! ※クリックで詞のページへ W&M:翠星石 後半幕開けの曲、明るい疾走系ハードロック Ⅶ:Overdrive ※クリックで詞と曲のページへ W&M:真紅 2曲目に退けを取らないくらいな疾走曲 Ⅷ:Rain the Melancholy ※クリックで詞のページへ W M 蒼星石 曲調はミドルテンポなブルースナンバー Ⅸ:Unholy Angel ※クリックで詞のページへ W M:雛苺 雛苺によるシンフォニックデスナンバー、全曲中一番荒れてますww Ⅹ:Ewigkeit/Eitelkeit ※クリックで曲のページへ M:薔薇水晶 ばらしーによる前後半の大作系プログレなインストナンバー 試作段階では30分を超える演奏時間だったが、銀様から 「収録時間オーバーだからもっと削りなさぁい」 とお叱りを受け、泣く泣く時間を削減したそうな… それでも10分超えてますw XI:Never Ending ※クリックで詞と曲のページへ W M:Rozen Maiden トリを飾るラストナンバー、まだもう1曲あるかと思わせるような終り方が特徴な曲 曲はコテコテのハードロック調で <ジャケット裏> Illust 沖 氏 <レーベル面など> Illust 沖 氏 アルバムの意については薔薇乙女がご説明なさるそうです… 真紅「カーディナル・ド・リシュシューはまだ科学が発達してない頃、見掛けでは全然だけど純粋な蒼い薔薇と呼ばれていたそうよ、 その薔薇の名前の由来はローマ法王の最高顧問リシュリュー卿の帽子と外衣にちなんで名づけられたのだわ。」 水銀燈「時が経つに連れてぇ、科学者たちの力で人工的な蒼い薔薇が幾つか作られたわぁ」 蒼星石「当時蒼い薔薇の花言葉として「不可能」「有り得ない」って感じだったんだけど、実際科学の力で作ったにせよ蒼い薔薇は実現したってことで新たな花言葉に「奇跡」「神の祝福」が追加されたんだ」 翠星石「このアルバムに付けられた意味としてはですねぇ、純粋な蒼い薔薇、つまり純粋な翠星石たち…要するに『自分たちで奇跡を起こす』って意味が込められてるんですぅ!」 雛苺「そして聴いてくれる人たちに神様とまでは言えないけど、雛たちの祝福をいっぱい送るのよー」 翠星石「デスメタ歌った割によくそんなこと言えるですねぇww…」 雛苺「たまには激しい祝福も必要なのよー♪」 真紅「(雛苺…侮れないのだわ…)」 ばらしー「…皆…Rozen Maiden『Cardinal de Richelieu』…よろしくねっ♥」 金糸雀「近日発売かしらー、勿論初回限定版も予定してるかしらー」 翠星石「金のねーヤツは恐喝してでも買いやがれですぅ!」 蒼星石「DMCktkrwwwwww」 (2)「Thorn s Labylinth~荊の迷宮~ 録音中の一幕」 <――二度とは喪いたくないのだから♪ <ワンモアセッッ!!! 「ちょwwwだめだよ薔薇水晶wwwwまた録り直しwwwwww」 「……ちょっと!翠星石!責任を取りなさい!!」 「そんなこと言われても知らんですぅ!!!」 (3)「雑誌・ヤングキーボードより 薔薇水晶のコメント抜粋 」 曲の解説をすると、全体としては真紅が言っていた、「時を巡り人を巡り咲き誇る」ということを意識している…。 Iの曲が次々と展開していくのは、この言葉を受けて、いろんな人と出会ったり別れたり、喜んだり悩んだりを繰り返すことの表現になっている。 Iの曲頭と最後には同じフレーズが来るけれど、あれには意味合いがあって、同じフレーズがIIの冒頭や間奏部でも入っていることが意味合いを考えるヒントになる。 アルバムのコンセプトである祝福との関連は、「産まれてきたことへの祝福」…一曲目だもの。 (4) Rozen Maiden、満を持しての作品『Cardinal de Richelieu』が発売したその翌日… 金「たたたたたた大変かしらーーーーッッッッ!!!!! あのスクウェ○・エニッ○スの植松伸○さんと伊藤○治さんとすぎやま○ういちさん、その他多数のゲームコンポーザーからばらしー宛にオファーが殺到してるかしらーーーーッッッ!!!???」 真銀蒼翠雛「な、なんだってーーーーーーっっっ!!!???」 薔「えへへへー… ∬(゚∀$ゞ」 コラボ作品保管庫へ
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Story ID d76mmVKj0 氏(277th take) ここはローゼンメイデンの控え室。女性ばかりの部屋ではいつも賑やかな会話が飛び交う。 今日は美味しいオヤツを食べながら新曲についての会話が始まった。 「あら、これは美味しいわね、誰が買ってきたの?」 「そのプッディングは僕が買ってきたんだ、最近のお気に入りさ」 「もぐもぐ、あっ、ほぉ~んと、美味しいわぁ~」 「ヒナの苺大福も美味しいの~」 「翠星石はスコーンを焼いてきたですよぉ~」 「カナは新鮮な卵を使ったシフォンケーキかしら~、ばらしーは何かしらぁ?」 「……私は無農薬の……きゅうり……」 「きゅ、きゅうりぃ~?」 「…うん…銀ちゃん食べる?」 「え、遠慮しとくわぁ~、と、所で今度の曲でシタールを入れたいんだけどぉ~どぉ?」 「シタール、それはいい考えだわ、新曲に合いそうな選択ね」 「うん、僕もそれはいいと思うよ」 「…パリッ……ポリッポリッ……ボリボリボリ…ポリポリッ…ごっくん」 「じゃ、チビ苺のデス声が始まったらシタールからいきなりギターに変わるですかぁ?」 「いや、そこはぁ、イントロではシタールの音色を前面に出してぇ~ギターは控え気味って感じよぉ」 「…ポリッ…バリッ………ポリポリポリポリ………ごっくん……ポリッ……」 「それじゃ、ギターとシタールはどのあたりからチェンジかしら?」 「それは私の歌が始まってからと思うのだけれど?」 「……パリパリパリ…ポリポリポリ……シャリッ……ポリポリポリポリ…ごっくん…」 新曲つくりの話が続いている中、番組スタッフが控え室のドアをノックする。 「それじゃ、そろそろ出番ですのでスタジオの方に来てください」 メンバー達はその声に答えると、スタジオに行く。 「はい、今夜のゲストはローゼンメイデンのみなさんです!!」 「こんばんは、ボーカルの真紅だわ」 「こぉ~んばんは、ギターの水銀燈よぉ~」 「ボーカル兼コーラスの雛苺なの~」 「ドラムの翠星石ですぅ」 「こんばんは、ベースの蒼星石です」 「…ポリポリポリポリ……ごっくん………薔薇水晶……ポリポリポリポリポリポリポリ…」 この収録中ずっと薔薇水晶の口は動いていました>< 短編連作SS保管庫へ
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Story ID w3m8nThr0 氏(223rd take) 「はい、こんにちは。今夜は全国ツアー真っ最中のローゼンメイデンから 真紅さん、水銀燈さん、薔薇水晶さんに来てもらいました」 「こんにちは」 「こんにちはぁ~うふふ」 「……こ、こん…」 「さて、全国をツアーで飛び回るローゼンメイデンの皆さんは言い換えれば 旅の達人だと思いますが、ツアーで全国を忙しく移動する際に必ず もって いく物はありますか?」 「マイカップだわ、やはり馴染んだものは手放せないわ」 「別にないわぁ、私が手放せないものは大体コンビニにあるからぁ~」 「……輪ゴムとボールペン…」 「わ、輪ゴムとボールペンですか?何に使うのですか?」 「…ボールペンは便利……字が書ける…」 「そりゃボールペンは字を書くためにありますからねぇ~、で、輪ゴムは?」 「輪ゴムは……護身用…」 「ご、護身用?そんなので身を守れるのですか?」 「…うん……先月…イスラエルで武器として、使用されたから大丈夫」 「ほ、本当ですか?」 「ウソよ、ウソに決まってるのだわ」 「だからぁ、ばらしーの言うことを信じたらダメよぉ~」 「…ウソじゃないもん……ボールペンは字が書けるんだもんッ!!」 「あの~薔薇水晶さん、ボールペンじゃなくて輪ゴムなんですけど?」 「……違うもん、ボールペンは…先が丸くなってるんだもん!!」 「あの~、輪ゴムの話なんですけど?」 「…ボールペンは…黒と赤だけじゃないもん…いろんな色があるんだもん」 「は、はい、いろんな色がありますね(苦笑い)」 「…消しゴムできえるのもあるんだもんッ……う、うえぇぇぇ~~ん(泣)」 「な、泣かないで下さいよ、ちょっと真紅さん、水銀燈さん助けて下さいよ」 「無理なのだわ」 「ばらしーがこうなったら私たちでも無理ねぇ~~」 その後、ばらしーは泣きながらボールペンについて2時間ほど喋りました>< 短編連作SS保管庫へ
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~第二十章~ ――めぐを助けたい。その想いは、今も変わらない。 これからも、変わることは無い。 けれど、蒼星石を護りたいという気持ちもまた強く、大きく……。 水銀燈は懊悩し、自縄自縛の状態に陥っていた。 片や、本当の姉妹のように付き合ってきた幼馴染み。 片や、御魂によって結び付いた、かけがえのない姉妹。 どちらが大切かなんて、比べようもない。 天涯孤独の水銀燈にとっては、二人とも、命の次に大切な姉妹だった。 今、その二人が、目の前で死闘を繰り広げている。 一人の刀匠が鍛えた、二振りの剣を手に、刃に生命を乗せて鬩ぎ合っている。 それは到底、見るに堪えない光景だった。 止めなければならない。こんな事は、やめさせなければ! 薔薇水晶を振り払おうとして、水銀燈は右肩の激痛に端整な顔を顰め、呻き声を上げた。 悔しくて噛み締めた奥歯が、ギシリ……と軋んだ。 「放してぇっ! 私は、あの二人をっ」 「ダメ! いま銀ちゃんが割って入れば、蒼ちゃんが負けちゃう!」 「だ、だけど――このままじゃあ」 薔薇水晶の言うように、利き腕が使えない水銀燈が仲裁に入ったところで、 蒼星石の邪魔になるだけだ。 攻撃を躊躇った蒼星石を、めぐは微塵も罪悪感を抱かずに斬り伏せるだろう。 しかし、めぐと、蒼星石……両者の技量は伯仲している。 このまま続けさせたら、刺し違えて共倒れという、最悪の結果も考えられた。 やるせない胸の想いに哀哭する水銀燈を気にも留めず、二人は刃を交え続けた。 無視していた訳ではない。 そもそも、彼女たちの耳に、水銀燈の声は届いていなかったのだ。 「はぁっ!」 「消えろぉっ!」 短い気迫を吐いて、妖刀『國久』と『月華豹神』が、ぶつかり合う。 めぐは蒼星石の方に刃を押し込んで、口の端をつり上げた。 「もう諦めたら? 苦しまずに死ねるように、頸を斬り落としてあげるわ」 「まだ……ボクは負けないっ!」 蒼星石は剣の峰に左手を副えて、頸動脈の側まで接近していた刃を押し返した。 ここで敗れるわけには、いかない。柴崎老人と交わした約束を果たす為にも。 蒼星石の執念に眉を顰めて、めぐは一旦、飛び退いた。 「思ったより、しぶといのね。正直、意外だったわよ」 「相手を侮っていると、手痛いしっぺ返しを食らうってコトさ」 「……らしいわね。ご忠告、感謝するわ」 言って、めぐは精霊を起動した。妖刀『國久』が、煉獄の炎に包まれる。 そして更に睡鳥夢も重ねて起動して、蒼星石や水銀燈たちの視界を遮り、 身動きをも妨げた。 次は、全力の一撃が来る。 睡鳥夢によって繁茂した植物を斬り払いながら、蒼星石は身構えていた。 受け止められなければ、両断され、地獄の炎に焼き尽くされるだけだ。 自分の精霊で火葬にされるなんて、洒落にならない。 夜風がざわめき、蒼星石の背後から、紅蓮の刃が迫る。 煉飛火の気配に意識を集中していた蒼星石は、全く動じることなく、 めぐの剣撃を受け止めた。 刃が噛み合った瞬間、月華豹神の刀身に文様が浮かび上がり、眩い光を放つ。 めぐは左腕を目元に翳し、夜闇を切り裂いて溢れ出した光芒を忌々しげに避けた。 「なっ! なんなの、これはっ?!」 「これが……お爺さんが構築した呪符の力……」 瞼を細め、茫然と呟く蒼星石の目の前で、月華豹神は煉飛火の炎を纏う。 対して、めぐは驚愕に双眸を見開いていた。 「そんな馬鹿なっ! どうして……煉飛火が?」 「キミは、精霊と契約した訳じゃない。 妖刀『國久』の能力で、縛り付けていたに過ぎないんだよ」 「くっ! まさか……こんな小癪な真似を、用意してたとはね」 「先に小賢しい真似をしてきたのは、キミたちの方さ」 蒼星石は、燃え盛る月華豹神の切っ先を、めぐの眼前に突きつけた。 悔しそうに歯噛みするめぐの顔が、炎の揺らめきに照らし出される。 「睡鳥夢も、返してもらうよ。そして――」 そう告げた蒼星石の声は、普段の彼女から想像が付かないほど冷淡だった。 めぐを見据える緋翠の瞳に、慈悲の心は一切ない。 「姉さんを傷つけ、多くの人々を悲しませた罪を償ってもらおうか」 蒼星石の言葉は、水銀燈と薔薇水晶の耳にも届いていた。 水銀燈は、薔薇水晶の腕から逃れるべく必死で暴れながら、蒼星石に懇願した。 「そんなっ! ダメよ! めぐを殺さないでぇっ!」 「水銀燈……キミはまだ、そんなコトを言っているの?」 「いい加減にしないと……本気で怒るよ、銀ちゃん」 「ダメ! 絶対にダメぇっ!」 ――だって、まだ全ての可能性を試した訳じゃないんだから。 激しく頭を横に振りながら、水銀燈は我が侭な子供の様に、反対し続けた。 めぐは翠星石と同様に、穢れに取り憑かれ、操られているだけかも知れない。 金糸雀だったら、めぐの病気を治せるかも知れない。 それなのに、問答無用で斬り捨てるなんて蛮行は、絶対に看過できなかった。 けれど、水銀燈の想いを踏みにじる台詞が、めぐの唇から紡ぎ出される。 「……ふん。甘いわね、水銀燈。闘わなければ死ぬだけよ。それが世の常」 「だ、そうだよ。水銀燈には悪いけど、この戦闘は避けられないんだ」 すげない返事を残して、闘志を滾らせた二人は、激しく衝突を繰り返す。 だが、先程と違って、精霊を擁する蒼星石の方が僅かに優勢だった。 「ちっ! 睡鳥――」 「させないっ!」 精霊の力で再び形勢を拮抗させようと目論むめぐに、蒼星石の一閃が襲いかかる。 めぐは両手で妖刀『國久』の柄を握って、蒼星石の薙ぎを受け止めようとした。 凄まじい衝突音と同時に、ぴぃん! と高周波の音が響き渡った。 それは、妖刀『國久』が上げた、断末魔の叫びだった。 ほぼ中央から両断された刀身から、封じ込められていた睡鳥夢が躍り出る。 睡鳥夢は少しの間、宙を彷徨い、翠星石の元へと飛び去った。 「こ……こんな……ことが?!」 めぐは動揺しつつも飛び退き、蒼星石に向けて、召還した巨大ムカデを嗾けた。 けれど、所詮は大きいだけのムカデ。 心理的な嫌悪感を煽りはしても、然したる脅威にはならない。 大ムカデは忽ちの内に切り裂かれて、飛び散り、篝火と化した。 めぐの元に突進する蒼星石を見て、水銀燈は矢も楯もたまらず、身悶えした。 「放しなさい、薔薇しぃ! これ以上はっ!」 「ヤダ! 絶対に放さないっ!」 「――っ! 放してぇっ!」 もう、右肩の痛みなど、気にもならなかった。 水銀燈は薔薇水晶の腕を振り解いて、蒼星石の側に疾駆した。 ――やめてっ! やめてっ! やめてっ! 心の中で連呼するのは、その一言だけ。 蒼星石の月華豹神が、いま正に、めぐの身体を刺し貫こうとしている。 それだけは、させたくない! 感情に衝き動かされるままに、水銀燈は、蒼星石に体当たりした。 連なって倒れる、蒼星石と水銀燈。 めぐの心臓を貫く筈だった月華豹神の切っ先は、甲冑を僅かに焼いただけだった。 「す、水銀燈っ!?」 「めぐを殺さないでっ!」 「くっ! なんて馬鹿な真似をっ」 蒼星石は慌てた。 殺意を抱いた敵を前にして、無防備な姿を晒すなんて、正気の沙汰ではない。 けれども、水銀燈は蒼星石にしがみついて、離れようとしなかった。 いま襲われたら、二人とも纏めて殺されてしまう。 だが、蒼星石の懸念に反して、めぐは攻撃を仕掛けてこなかった。 妖刀『國久』を折られていたのも、理由のひとつかも知れない。 めぐは紅い旋風を操って、姿を消そうとしていた。 「助かったわよ、水銀燈。次に会った時は、お礼をしてあげなきゃね」 「逃がすものか!」 「やめてぇ! もう、やめてよぉ!」 尚も追撃を試みる蒼星石の脚に、水銀燈が縋り付く。 蒼星石が前のめりに倒れた先で、めぐは旋風と共に消え去っていた。 蒼星石は口惜しそうに歯軋りをして、縋り付いている水銀燈を引き剥がした。 そして、有無を言わせずに、彼女の頬を思いっきり引っぱたいた。 水銀燈は小さな悲鳴を上げて、地面に倒れ込んだ。 「水銀燈っ! キミは、自分が何をしたか解ってるの?!」 撲たれた頬に手を当てながら、水銀燈は緩慢な動作で、半身を起こした。 溢れる涙を拭うこともせず、先に立ち上がった蒼星石を真っ直ぐに見上げる。 彼女の唇から、掠れた声が紡ぎ出された。 「ごめ…………ん……なさい」 「謝って済む問題じゃないよっ! キミのした事は、利敵行為だよ。 ホントに解ってるの? 立派な裏切り行為なんだよ!」 「だ、だけど……私は……」 「キミを見損なったよ。公私の区別が出来る人だと、思っていたのに」 「でも、私は……貴女たちの、どちらにも死んで欲しくなかったのよぉ」 「……行こう、薔薇しぃ」 涙ながらに想いを解き放った水銀燈に、蒼星石は冷たく背を向けた。 「姉さん達が苦戦してる。急いで助けに行かなきゃ」 「う、うん。解った……すぐ行く」 薔薇水晶は、へたり込んだままの水銀燈に近づくと、徐に声を掛けた。 「銀ちゃん……さっきの事だけど……」 「……」 「私も……蒼ちゃんと同じ考えだから」 「っ!」 素っ気なく言って、薔薇水晶は踵を返し、蒼星石の後を追い掛けていった。 独り残された水銀燈は、両手で顔を覆って、泣き崩れた。 たった一人きりで、いつまでも嗚咽し続けていた。 敵の執拗な攻撃の前に、翠星石と金糸雀は完全に圧されていた。 矢弾も尽きかけて、今はもう物陰に身を潜め、病床の真紅を庇い続けるのみだ。 「弾が切れたかしら! 翠ちゃんのクナイは?」 「そんな物、とっくに使い切ったですよ。金糸雀の精霊を使うです!」 「えっと、影は……」 足元には、うっすらとだが、月影が落ちている。 このくらいの濃さが有れば、氷鹿蹟の起動に支障は無い。 しかし、起動の寸前に真紅が苦しげな呻きを上げたので、 金糸雀の意識は、そちらに向けられてしまった。 「だ、大丈夫、真紅!? しっかりするかしら!」 「あぁもう! しゃ~ねえです。金糸雀は、真紅の看病に専念してやがれですっ」 こうなれば、蒼星石との約束を違えることになるが、自分が斬り込むしかない。 翠星石は短刀を握り締めて、物陰から飛び出す機会を窺っていた。 そこへ、光るモノが、ふらふらと宙を飛んで来る。 それを見た途端、翠星石の表情が、緊張から安堵に移り変わり、歓喜の笑みへと変貌した。 「睡鳥夢! 戻ってきてくれたですかっ!」 翠星石は嬉々として、懐から玉鋼の呪符を抜き出して、精霊の前に翳した。 それまで頼りなく飛んでいた精霊は、まるで自分の住処を見つけて喜んだかのように、 勢いよく、真っ直ぐに呪符へ飛び込んだ。 やっと会えた。また、帰ってきてくれた。 懐に呪符を収めると、翠星石は身体の奥底から、力が漲ってくるのを感じた。 「あ~っはははっ! いよいよ反撃開始ですぅ!」 やおら物陰から飛び出した翠星石を目掛けて、一斉に矢が放たれる。 しかし、当の本人は、慌てず騒がず―― 「睡鳥夢ぅっ!」 忽然と現れた植物が、無数の矢を悉く弾き返し、穢れの者どもに迫った。 枝に捕らえられた弓足軽は、締め上げられて、骨を砕かれ消滅していく。 まともな反撃を試みる間もなく、敵は四分五列となって退却した。 周囲に穢れの気配は無い。注意深く観察したが、狙撃兵も見当たらない。 翠星石は精霊を格納すると、真紅と金糸雀の元に引き返した。 そこに、蒼星石と、神剣を携えた薔薇水晶が駆け戻ってきた。 「姉さん! 無事だったんだね。良かった……」 「睡鳥夢が、帰ってきてくれたですよ。それで、助かったです」 「妖刀『國久』を折ったからだよ」 その報告を受けて、翠星石は表情を綻ばせた。 柴崎老人との約束を、こんなにも早く果たせるとは、思ってもいなかったのだ。 けれど、嬉しいことばかりではない。真紅の事も、早急に手を打たなければ。 その段になって漸く、翠星石は、ひとり足りない事に気づいた。 「あれ? そう言えば、銀ちゃんは、どこ行ったです?」 まさか、敵の手に掛かって? 表情を曇らせた翠星石に、蒼星石は訥々と先程の一件を伝えた。 「喧嘩?! バカですか、蒼星石はっ」 「だけど、姉さん……」 「どんな理由が有ったにしても、銀ちゃんは私たちの同志ですよ。 それなのに、仲間割れなんかして、どうするつもりですかっ! 薔薇しぃも薔薇しぃです。側に居ながら、なぜ仲裁に入らねぇです!」 翠星石に叱責されて、蒼星石と薔薇水晶は心苦しそうに俯いた。 頭に血が上っていたとは言え、確かに、少し言い過ぎたかも知れない。 「様子を見てくるです。蒼星石たちは、真紅の世話をしてやがれです!」 言って、翠星石は燃え落ちたみっちゃんの家へと向かった。 ところが、何処を見回しても、水銀燈の姿が見当たらない。 何度か呼びかけても、返事はなかった。 一体、何処へ行ってしまったのだろう。得物も持たずに、遠くへ行く筈が無い。 なにか、痕跡は無いだろうか? 丹念に地面を調べていた翠星石は、指で地面に書き記された文字を発見した。 もう、みんなと一緒に居られそうもありません。ごめんなさい。 さよなら。 「な……なんですか、これは?! どうして、こうなるですっ!」 彼女からの伝言を読んで、翠星石は泣き出しそうな声で呟いた。 真紅が大変な時に……。 これから、もっと厳しい闘いが待っていると言うのに……。 翠星石は重い溜息を吐いて、水銀燈の伝言を、爪先で乱暴に掻き消した。 「どいつもこいつも…………ホントに、大馬鹿ヤローですぅ!」 焦げ臭い空気が漂う夜闇の中に、翠星石の絶叫が木霊していた。 =第二十一章につづく=
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9月9日、快晴。 この日は年に一度の球技大会の日だ。 体操着姿の生徒が続々とグラウンドに出てくる。 しかし、なぜ2学期も始まったばかりのこんな日にすることになったのだろうか。 それにはやはり「あの人」の思いつき発言があった。 それは1学期の終業式のこと・・・ ローゼン「今年の球技大会は2学期始まってすぐやろうと思う。 なので、夏休みに各クラス練習しておくよーに」 生徒(うぇっ、マジかよ…) (はっ、練習なんかするかよ) (せっかくの夏休みなんだしぃ~) 心の中でそう思う生徒。まぁ当然であろう。しかしそこはさすがのローゼン、 次の一言で生徒達のやる気を引き出させた。 ローゼン「今年は学年別で行い、各学年の優勝クラスには賞金100万円を 与えることとする!」 生徒「「「おおぉぉぉぉぉ!」」」 どよめきたつ体育館。 ローゼン「さらに!夏休み中球技大会の練習に参加するものは夏休みの宿題を免除する!」 生徒「「「「「おおおおぉぉぉぉぉ!!!」」」」」 ものすごいことを言ってのけるローゼン。当然、ラプラスは黙っていない。 ラプラス「校長!そんなことは認めませんよ! 大体、学生の本業は勉強。それをないがしろにしてまで~」 そう言いながらローゼンのいるステージに登ろうとするラプラス。 すると、1人の黒人がラプラスをつかまえた。 ラプラス「・・・ちょっと離しなさい!校長!どういうことですか!?」 ローゼン「キミが説教をしにくることはわかっていたよ。 だからSPを雇っておいたのさ。さぁ、連れて行け!」 SPに抱えられながら体育館をあとにするラプラス。 ラプラス「馬鹿校長~!覚えてろよ~!」 ラプラスの罵声が体育館に響き渡った。 ローゼン「邪魔者もいなくなったところで… 夏休み中の生徒の指導は担任の先生にお願いしたいと思う。 副担任の先生は大会の準備をしてもらう」 ローゼンがそういうと1人の教師が声を上げた。 銀「ちょっと校長!私も生徒と一緒に練習したいです!」 そう言ったのは水銀燈だった。彼女は薔薇水晶のクラスの副担任で、 このままでは裏方になってしまう。するとローゼンは ローゼン「あっ!言うのを忘れてた。夏休みの間、H組の担任の西田君が語学留学を するので、水銀燈君にはH組の面倒をみてもらう」 そう言われにやける水銀燈。ちなみに現在の水銀燈の心の中は 銀(やったわぁ、これで賞金はいただきよ。薔薇水晶先生の鍛え方では おそらく賞金はもらえないわ。やっぱり自分で鍛えないとぉ) 水銀燈がそんなことを考えているうちに、 ローゼン「組み合わせは当日発表する。諸君、しっかり練習に取り組むように。 では、これで1学期の終業式を終わる。解散!」 そして、教室に戻った各クラスの生徒と担任は夏休みの計画を立て、 その計画通りに練習し今に至るというわけだ。 開会の挨拶のためにマイクの置かれている壇の上に昇るローゼン。 その壇の横にはジャージ姿の教師陣が並んでいた。 真「やっとこの日が来たのだわ」 3-A担任の真紅。 薔「みんなよくがんばったよ…優勝目指そう」 3-B担任の薔薇水晶。 雛「ヒナのクラスのほうががんばったのー」 3-C担任の雛苺。 翠「チビチビ雛苺のクラスなんてよゆーで勝てるです」 3-D担任の翠星石。 金「カナのクラスだって負ける気はないかしらー」 3-E担任の金糸雀。 蒼「まあまあ、みんな落ち着いて…」 3-F担任の蒼星石。 雪「あれだけの訓練をした…勝率は99,78%だ」 3-G担任の雪華綺晶。 銀「賞金はいただきよぉ」 3-H臨時担任の水銀燈。 そんなことを言っているとローゼンが話し始めた。 ローゼン「諸君!今日は待ちに待った球技大会だ。各自存分に力を発揮してくれ。 さて、注目の組み合わせだが…」 全校が息を呑む。 ローゼン「まずは1年………次は2年………」 1年と2年の組み合わせが発表される。そして… ローゼン「3年の組み合わせは…これだぁ!」 優 勝 ____l____ __l__ __l__ _l_ _l_ _l_ _l_ | | | | | | | | G F C B D E A H 生徒「「「おおおぉぉぉぉぉ!!!」」」 組み合わせが発表され歓声が響き渡る。 一回戦第一試合 G組VSF組 蒼「よろしく頼むよ、雪華綺晶先生」 雪「…こちらこそ」 第二試合 C組VSB組 雛「薔薇水晶のクラスならよゆーなのー」 薔「なっ!?私のクラスだって…負けません!」 第三試合 D組VSE組 金「カナの頭脳プレーで勝ち星いただきかしらー」 翠「てめーの浅知恵なんて通用するわけねーです!」 第四試合 A組VSH組 真「ちょうどいいのだわ。今日こそ決着をつけてやるのだわ」 銀「望むところよぉ。返りうちにしてやるわ」 各クラスの先生がお互いに火花を散らしている。すると、ローゼンが ローゼン「それでは競技の決定方法について説明するぞー」 全校「はっ????」 ローゼンの発言の真意がわからず戸惑う一同。ローゼンはかまわず続ける。 ローゼン「今年は試合の前に私がクジを引き、その競技をやってもらう!」 全校「ええぇぇぇぇぇぇ!!??マジかよ!?」 生徒達が驚くのは無理もない。去年までは男子はバスケ、女子はバレーという風に 競技が決まっていたからだ。当然夏休みもその競技しか練習していない。 何てことを考えてくれたんだ馬鹿校長と文句をたれる生徒達。 そして、あいかわらず生徒達を無視して進行するローゼン。 ローゼン「さっそく行くぞー。一回戦第一試合の種目はこれだぁ!」 つ野球 こうして誰も結果の予想できない球技大会が始まった。
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ピッピッヒャララ ピ~ヒャララ~ 遠くから祭囃子の笛の音が聞こえてくる。それに伴い人々の歓声が沸き起こる。 如何にも祭りらしい雰囲気の片隅で、浴衣に着替えた有栖学園の教職員達は集まっていた。 ラ「いよいよこの日がやってきました」 開口一番教頭のラプラスが口を開く。 ラ「今日は楽しい祭りの日です。ですが、青少年達にとって誘惑の多い日でもあります。そこで皆さんにはお手数ですが見回りをお願いします」 要するに夜遅くまで出歩いている生徒や子供達を家に帰らせる、というのが今回の仕事である。 全員『はい!』 ラ「まあ、見回り自体は遅くからでも構いませんので皆さんも楽しんでください」 そこで雛苺が手を挙げる。 雛「質問なの~」 ラ「はい、何でしょう?」 雛「校長はどこに居るの~?」 一瞬、場が静まり返るがラプラスが答える。 ラ「年がら年中馬鹿騒ぎが好きなあの男が果たしてじっとして居られるでしょうか」 翠「質問に質問で返すのは0点ですぅ」 ラ「反語形なので問題ありません。という訳で、恐らく騒ぎの中心地に飛び込んでるんでしょう」 蒼「そういえば、レンピカも喜び勇んで参加していったなぁ。彼女もお祭り大好きだから」 ラ「それはさておき・・・では、皆さんお願いします」 かくして、教師達の見回りが始まった。 子供A「あ、ウサギだ!」 子供B「ホントだ!」 ラ「ん?あ、こら、止めなさい君たち。あぁぁ、服を、耳を引っ張らないでぇぇ!」 子供たちにかかっては、ラプラスも形無しであった。 翠「そういえば、こうして一緒にお祭りに行くのは久しぶりですねぇ」 蒼「そうだね。何事も無ければのんびりお祭りを満喫できるんだけど」 ス「わたあめ、りんご飴、チョコバナナ、何を食べようかな~」 などと談笑しながら通りを歩く3人。 すると横合いから声を掛けられた。 R「あれ?先生たちじゃないですか」 声が聞こえてきた方を見ると、そこではたこ焼き屋の屋台でたこ焼きを作っているRが居た。 翠「おめー、そんな所で何してるですか?」 R「何って、バイトですよバイト。良かったらどうです?食べていきませんか?美味しいですよ」 翠「ほっほぅ~。そこまで言うならなら1個ぐらい食べてやんねー事もねーですぅ」 蒼「それじゃ、2パックちょうだい」 R「はい、まいど!」 手渡されたたこ焼きを早速食べてみる。 R「ど、どうですか?」 蒼「・・・うん、美味しいよ」 ス「美味しい~」 R「ほ・・・良かったぁ」 蒼星石、スィドリームはそれなりの評価を下した。しかし・・・。 翠「まだまだですぅ」 R「え?」 翠「タコの切り方が甘いですぅ。大きさにばらつきが有るから焼き方にムラが有るですぅ」 ここはお手本を見せる必要があるですぅ、と屋台の中に入っていく翠星石。 手際良くタコを捌き、たこ焼きの種を混ぜてたこ焼き用の鉄板に流し込んでいく。 その上からネギ、天かすなどを入れていく。 また、端にある鉄板にはどこから持ってきたのかハバネロのみじん切りを入れる。 翠「これは後で激辛たこ焼きとして売ればいいですぅ」 程よく焼けてきた所でピックで素早くひっくり返していく。その速さに皆、目を見張った。 翠「これで完成ですぅ。出来立てだから気をつけて食べやがれです」 パックに入れた出来立てのたこ焼きをRを含めてみんなで食べる。 R「俺が作った奴より数倍旨い!」 蒼「うん!材料は同じなのにこうも違うなんて」 ス「この激辛たこ焼き美味しい~!これだけを1パック下さいな」 翠「ふっふ~ん、思い知ったかですぅ!」 ふんぞり返って鼻を鳴らす翠星石であった。その後も色々な屋台で味見をしては手本を作るということを続けていったとか。 ・・・ポン!・・・ガチャ・・・ポン!・・・ジャキ・・・ポン! 雪華綺晶は焦っていた。 扱いに関しては自分の右に出る者は未だに誰も居ないと思っている。 あのフォッセー姉妹でさえ、自分と比べればまだまだ半人前であるとも自負していた。 しかし・・・今の自分は何だ?狙った獲物でさえ、まともに当てる事すら出来ないウスノロではないか。 慣れない物を使っているからなのか?否、武器に関しては現地調達という事も数知れず有ったではないか。 敵から奪った銃が突然ジャムったりする事なんて良くある事だ。だから武器の所為にはしない。それを選んだ自分の不甲斐なさを恨むのだ。 やがて、弾が尽きようとしてる。 雪(残り1発か・・・) このままでは自分は何一つ撃ち落す事も出来ずに戦場を去る事になる。 何のために自分がこの戦場に来たのか?それは相手を倒す事だ。 その思いを弾丸に込めて放つ。しかし、無常にも弾は目標を僅かに逸れて着弾する。 完璧な誤差修正をしたはずだが、撃つ度に予想外の動きをして当てる事が出来ない。 そして全弾撃ち尽くしてしまった。 雪(く・・・こうなったら・・・) 男が雪華綺晶に話しかけてくる。 男「はい、ざんね~ん。もう一回やるか・・・」 男はそこで絶句する。しかし、雪華綺晶は構わず引き金を引く。 ズドン!! 雪「目標の完全沈黙を確認。ミッションコンプリート・・・。やはり銃は愛用の物に限る」 ?「何が愛用の物に限る、なのだわ!!」 スパァァァン!! 雪華綺晶の視界に黄色い何かが映ったと思った瞬間に体が吹き飛ばされた。 雪「真紅先生!?」 何とか倒れずに着地し、声が聞こえてきた方へと向くと、そこには真紅とホーリエの二人が居た。 真「全く・・・射的に本物を持ち出す人は居ないのだわ」 雪「し、しかし!1人も倒せずにおめおめと引き下がるわけには・・・」 この戦争ボケは何とかならないものかしら、と目線を下げて屋台の中を覗くと、 そこにはちょうど眉間の部分を撃ち抜かれたくんくんのぬいぐるみが転がっていた。 真「・・・・・・あ、ああ、な、何て事を・・・・!!」 まさに顔面蒼白であった。すぐに雪華綺晶の方へと向き直る。 真「よくも・・・よくも、くんくんを殺してくれたわね!」 雪「ん?あ、いや、あの、その・・・」 流石の雪華綺晶も真紅の全身から迸る殺気を感じ取ったか、うろたえ始める。 真「絶対に・・・絶対に許さないのだわ」 一歩一歩近づいていく真紅。そして一歩一歩遠ざかる雪華綺晶。 その場に居た誰もが『ああ、血の雨が降るな』と思っていたところ、思いがけない援軍が現れた。 ジ「何やってんだよ」 真「何って、くんくんの弔い合戦を・・・ってジュン?!」 ジ「まあとにかく、その怒った顔をどうにかしろよ」 ジュンは通りの片隅で真紅達から事の顛末を聞いた。 ジ「仕方ないなぁ。じゃあそのくんくん見せてみろよ」 真「直せるの?!」 ジ「100%元通りってのは無理だけどな」 ジュンはポケットから携帯用のソーイングセットを取り出し、破れた部分を縫い始める。 5分ほどで穴は塞がった。 真「ああ、くんくんが遠い所から戻ってきたのだわ!」 ジ「とりあえずの応急処置だけどな。後で綿とか入れておかないと」 真「はぁ、くんく~ん!」 ジ「聞いちゃいないや」 雪「私からも礼を言う。桜田が居なかったら大変な事になっていた」 ジ「別に大したことじゃないから良いですよ。それじゃ」 ジュンはその場を後にした。 水「お祭りと言ってもぉ、別段面白い事ってのも無いものよねぇ」 メ「まあ、雰囲気を楽しむというのも良いのでは無いでしょうか?」 別段特に何を楽しむわけでもなくぶらぶらと歩く二人。 そんな二人の目に一軒の屋台が映った。 子供「ちぇ、また5等だ」 男「はい、残念。5等のゼリー」 くじ引きの店だった。店先には沢山の玩具やゲーム機などが並べられている。 メ「スピードくじですか。ああ言うのは、最初から3等ぐらいまでしか入ってませんのに」 微笑ましく子供たちを見ているメイメイだったが、水銀燈がツカツカと屋台に向かうのを見て慌てて追いかける。 男「ハイ、いらっしゃい・・・って、お姉さんやってくのかい?」 水「ええ・・・でも、その前に」 水銀燈は店の前に集まっていた子供たちに対してこう言った。 水「ねぇ、君たち。今すぐ、お友達をたくさぁん呼んでらっしゃい」 子供「え?なんで?」 水「今からお姉さんがぁ、皆が欲しい物を取ってあげるからぁ」 子供「ホント!!やったぁ!!」 それから5分後、店の前に居た子供は30人以上になった。 水「うふふ・・・沢山集まったわねぇ。それじゃあ、始めましょうか。メイメイ」 メ「はい」 メイメイはくじの入った箱を持つ。 男「ちょっと、困るよ」 水「良いじゃなぁい。今からこの中のくじ、ぜぇんぶ引くんだから」 そう言って、財布の中から万札を取り出す。 水「はい、1回300円だからとりあえず3万円で100回引かせてもらうわぁ」 子供「おお、大人買いだ!スゲー!!」 悪魔的な笑顔で3万を手渡す水銀燈。そして一枚ずつ引いていく。 男はこの時点で水銀燈の企みに気付いた。しかし、時既に遅し。 水「ええっとぉ、67枚で終わったからぁ2万100円で良かったわねぇ。9900円返してちょうだぁい」 お金を返してもらった後、メイメイが付けていたメモを確認する。 水「あらぁ?全部引いたのにぃ、1等どころか2等も3等も無いわぁ」 水銀燈のその一言に子供たちが一斉にブーイングを始めた。 子供A「インチキだ!」 子供B「金返せ!!」 子供C「詐欺師!!」 その言葉に思わず後ずさる男。一歩前に出る水銀燈。その様は沢山の家来達に囲まれた女王然としていた。 水「さあ、この落とし前、どうつける気なのぉ?」 男「・・・うぅ、すいませんでしたぁ・・・」 水「謝った所で、子供たちの希望を奪った罪は重いわぁ。態度で示してもらわないとぉ」 結局、店に置いてある物は全て水銀燈の物になった。 水「さあ、今度は皆の番よぉ。この中にある物から好きな物を『売って』上げるわぁ。あ、但しこれはダメよぉ」 水銀燈とメイメイはランクごとに賞品を並べ始めた。 水「え~っと、5等と6等は300円、4等は400円、3等は600円で良いわぁ。それと1等と2等だけどぉ、 高価な物だしオークション制にするわぁ。オークションって分かるぅ?」 男「ひぃぃっ!」 水「そこ、煩いわよ」 水銀燈の提案は子供たちを魅了した。何しろ3等でも1500~3000円ぐらいする特撮の玩具だったりする。 それが600円で買えるならお買い得だ。 そして、1等や2等はゲーム機だったりソフトだったり、大型の玩具だったりするので、オークションとは言え 割安な値段で買えるのだ。子供たちは我先にと買い求めた。 水「う~ん、2万の投資で4万も儲かるなんてやっぱりお祭りは最高ねぇ」 特大くんくんのぬいぐるみを抱えながら満足そうに言う水銀燈。 メ「あの店主さんには悪い事しましたけどね」 水「良いのよ。ズルしてるのが元々いけないんだしぃ」 メ「それもそうですね。流石ですわ」 ドンドンヒャララ、ドンヒャララ・・・ 通りの一角で演奏するパフォーマー達を雛苺、金糸雀、ピチカート、ベリーベルは眺めていた。 全員、りんご飴で口元をべったりにしながら演奏に聞き入っていた。 金「昔を思い出すかしら~」 雛「昔って?」 金「昔、カナがまだ学生だった頃、演奏の腕と開発の腕を買われてチンドン屋さんのバイトをしていたかしら~」 そこから金糸雀の昔話が始まった。 金「チンドン屋さんはまず何よりも目立つ事が肝心かしら。だから色んな格好したりするかしら」 雛「演奏は分かるけど、開発の腕が買われたってどういう事なの?」 金「1人でも沢山の楽器を演奏できるような機械の開発をしていたかしら」 その一言にピチカートが反応した。 ピ「それなら私もそんな仕事してたわ」 金「ピチカートもしていたかしら?奇遇かしら~」 ピ「確か、あの時弦楽器を中心に組み立ててた人が同業者で居たような・・・」 金「もしかしてそれカナかしら。という事はあの時、大太鼓やトランペットとかで演奏してたのがピチカートかしら?」 ピ「うそ!カナとはあそこで会ってたんだぁ。世の中意外と狭いわねぇ」 昔話に華を咲かせる二人。懐かしい青春時代の頃の話か盛り上がる。 金「・・・そう言えば、あの後どうしたんだったかしら~?」 ピ「確か・・・演奏の腕を競おうって話になったような・・・」 金「そうだったかしら~。結局どっちが勝ったんだったかしら?」 め「こんばんはぁ」 雛「あ、柿崎さんこんばんはなの~」 め「何してるんですか?」 雛「今、金糸雀先生達の昔話を聞いていたの~」 雛苺は一連の流れを説明した。 め「・・・その話、私覚えてる気がする」 金「え?!どうして覚えてるかしら」 め「確か、私がまだ入院する前だったかな。コインを投げ込むと願い事が叶うって言われてた駅前の噴水に500円玉 持っていった時に変な機械を抱えてた2人組に迫られた様な」 金「思い出したかしら!あの時の女の子は柿崎さんだったかしら~!」 ピ「そうそう、確かあの女の子から500円玉を貰った方が勝ちって事になったはず」 雛「で、結局どうなったの?」 金・ピ「う~ん・・・思い出せない」 め「確かぁ、何だかんだで演奏抜きで奪い合いになってぇ・・・コインは噴水の高い所に飛んでったんだったかな」 金「そう言えば、そうだったかしら~。確か、その時500円を逆に請求されたかしら」 ピ「あの時は手持ちが無かったから困ったわ」 ベ「そうしたら、どうなったの?」 め「確か・・・私がヴァイオリンをもぎ取って演奏したら黒山の人だかりで沢山お金を貰ったの」 金「その内の500円玉を渡す振りして噴水に投げ込まれたかしら」 ピ「あの時はちょっとした屈辱だった~」 め「あはは・・・まあ、若気の至りってことで」 薔「・・・どこに、行ったのかな・・・」 薔薇水晶は人ごみの中を掻き分けるように進んでいく。 元々そんなに込んでる所には行かないので、少し進むのにも一苦労していた。 しかも、すぐ側で御輿と獅子舞が来ていたので込み合いもすごかった。 ドン! 誰かにぶつかった様だ。すぐさま相手のほうを向いて謝る。 薔「・・・ごめんなさい、余所見をしてました・・・」 男「いいよいいよ、気にしないで」 男はそそくさと立ち去って行った。 薔薇水晶はすぐにローゼン探しを再開するが、体が何かに引っ張られているのを感じた。 薔「・・・ん?」 自分の体からゴムが出ている。そのゴムを目で追うと、先ほどの男の手の中の財布に繋がっていた。 薔・男「あ!」 男はナイフを取り出しゴムを切って、走り出す。 ゴムは薔薇水晶のおでこに当たってしばしうずくまるが、すぐに声を上げる。 薔「・・・スられた」 そう、男はスリだった。 薔薇水晶は慌てて追いかけるが、男はひょいひょいと人ごみの中をすり抜けていく。 この時、獅子舞の方に男が向かわなければ、多少は結果が異なっていたかもしれない。 男を追いかけていた薔薇水晶は獅子舞の所へとやってきた。 掛け声に合わせて獅子が舞い踊っている。 薔(そんな事よりも、早くスリを捕まえないと・・・) 財布の中には現金が10万ほど入っている。全て姉の今日の食費に消えるであろうと思って持ってきたのだ。 その他にもキャッシュカードやポイントカードなどのカード類もあり、何が何でも取り返さなくてはならない。 キョロキョロと辺りを見回す薔薇水晶に獅子が近づいてきた。 獅子?「どうかしたの?薔薇ちゃん」 薔「・・・あ、その声は」 獅子のお面を外すと中から法被姿のローゼンが出てきた。どうやら、ずっと獅子舞をやっていたらしい。 ほっと一安心した薔薇水晶はローゼンに事情を説明した。ローゼンは珍しく険しい顔になる。 ロ「そいつは大変だ。よりによって薔薇ちゃんの財布をスルとは許せん!」 ローゼンは一緒に獅子舞をしていた若衆にその事を告げ、若衆全員で追いかける事になった。 そこから大捕り物が開始された。 スリを見つけた若衆は高速で獅子舞をしながら男を追いかける。 まだ事情を知らない御輿を担いだレンピカたちはその速度に戸惑ったが、 レ「何だかよくわかんねーけど、野郎ども!獅子舞に遅れるなよ!!」 若衆『合点だ!姐さん!!』 レ「おっしゃあぁ!!行くぞ!!それ、ワッショイ!ワッショイ!」 と駆け出した。 更には、通りの人たちに薔薇水晶の財布がスられた事を言って回る。 学校内はもちろん、ご町内でも人気者だったため、追いかける人数が雪ダルマ式に多くなっていった。 住人『待ちやがれ~!!』 スリ「ひぃぃっ!何なんだよこの町は!!」 祭りの知らせを聞いて、絶好の場だと思ってのこのこやって来たのが男の運の尽きだった。 狭い路地へと逃げ込んだ所、突如近くから銃声が聞こえてきた。 スリ「ひぃぃ!?」 雪「財布をばらしーに返すか、命をあの世に返すか。どちらかを選べ」 満月をバックに銃を構える雪華綺晶。レーザーサイトはスリの眉間で輝いていた。 かくして、スリは無事逮捕となった。 取調室で『あの町の住人の方が銃刀法違反者多いんじゃないんですかねぇ?!』とボロボロになりながら、絶叫していたという。 雪「ほら、ばらしー。財布だ」 薔「・・・ありがとう、お姉ちゃん」 薔薇水晶は財布を受け取って中身を確認する。中身は大丈夫なようだ。 周りから盛大な拍手が沸き起こる。口々に『良かった良かった』『薔薇水晶先生を狙うたぁ、ふてぇ野郎だ』などと言い合ってる。 薔薇水晶はふと、何かに気付いたように腕時計を見る。 薔「・・・あ、もう9時回ってる・・・さ、子供たちは早くお家に帰りましょうね・・・もちろん高校生も、だよ」 子供達『は~い!』 こうして祭りは終わっていった。 ラ「イタタ、だから耳を引っ張らないで!あああ、ヒゲは止めてぇぇ!!」